排水処理の処理能力、見直すべきタイミングとは

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皆さまこんにちは。

大阪府堺市に拠点を置き、関西を中心に排水処理設備の保守・修繕をはじめ、電気・配管・計装工事など一貫して対応しているエスプラントサービスです。


製造業の工場において、排水処理設備は欠かせないインフラのひとつです。

製品の品質に直結する設備と違い、日々の操業の裏側で「当たり前のように稼働している」ため、つい見過ごされがちな存在ですが、長年使い続けるうちに本来の処理能力を発揮できなくなり、思わぬトラブルにつながることがあります。


この記事では、排水処理設備の処理能力を見直すべきタイミングと、その判断基準、対応のポイントについて解説します。

「ウチの設備は大丈夫だろうか…」と気になっているご担当者さまは、ぜひ参考にしていただければと思います。



■排水処理能力が低下する理由


まず、排水処理設備は耐久性の高い機器が多いものの、経年や運用条件によって処理能力が徐々に低下していきます。主な原因としては、以下のようなものがあります。


設備の老朽化

・ポンプやブロワ、攪拌機などの機械的な摩耗や劣化

・配管内部の腐食や詰まり

・沈殿槽や曝気槽のスラッジ堆積による有効容量の減少


負荷の増加

・生産量の増加に伴う排水量・負荷(BOD/COD)の増加

・新しい製品ラインの導入で水質が変化し、処理しきれなくなる


運転・管理の不備

・定期的な点検、清掃が不十分

・薬品や微生物の管理が適切に行われていない


こうした要因が重なると、見た目は問題なく稼働していても、実際には処理が追いついていない、基準ギリギリの状態で運転しているケースも少なくありません。



■処理能力を見直すべきタイミング


では、どのようなサインが出たら「処理能力の見直し」を検討すべきなのでしょうか。判断の目安となるタイミングを3つに分けてご紹介します。


タイミング①

水質が基準ギリギリ、または超過したとき


最も分かりやすいのが、排水の水質が悪化しているケースです。

例えば、以下のような状態が見られたら注意が必要です。


・排水BOD/COD値が日によって基準値を超えることがある

・SS(浮遊物質)が多く、沈殿が不十分

・油分や異臭が強くなった


これらは、すでに設備が処理能力を超えた負荷を受けている可能性があります。定期的に水質データを確認し、「余裕がない状態」が続いている場合は早めに見直しを検討しましょう。


タイミング②

生産設備や製造品目を変更したとき


意外に見落としがちなのが、工場側の生産計画や設備変更による影響です。例えば、


・製造ラインを増設し、生産量が大幅に増えた

・洗浄工程を追加し、排水の水量や水質が変わった

・新しい薬品や原料を使用するようになった


こうした変更は、排水負荷に大きく影響します。以前の設計処理能力に余裕があれば耐えられますが、ギリギリで設計されている場合には対応できず、水質基準超過や設備トラブルにつながります。


したがって、生産計画が大きく変わるタイミングで、排水処理能力の再評価を行うのが理想的です。


タイミング③

設備の経過年数が長くなったとき


排水処理設備の耐用年数は、使用環境や管理状況によって異なりますが、一般的に以下が目安とされています。

これ以上の年数を経過している場合、目に見えない劣化や効率低下が進んでいる可能性があります。年数が経過した設備は定期的に専門業者による診断を受け、必要に応じて改修計画を立てるべきです。



■見直し時のポイントと対応方法



処理能力の見直しを検討する際は、いきなり全更新するのではなく、現状の把握と課題分析を行ったうえで、最適な方法を選ぶことが重要です。


現状の把握

まずは、以下の情報を整理します。


・現在の排水量・負荷量と設計処理能力の比較

・過去1年程度の水質データ(BOD・COD・pHなど)

・機器の稼働状況や点検履歴


これらの情報から、「負荷増加による能力オーバーなのか、老朽化による効率低下なのか」を見極めます。


改善策の選択肢

課題の原因に応じて、以下のような対策が考えられます。


簡易改善

 …微生物の活性回復や薬品調整、スラッジ除去など

部分的改修

 …老朽化したポンプやブロワ、配管のみ交換

増強工事

 …曝気槽の容量増設や高度処理設備の追加

全面更新

 …将来を見据えて全面的にリニューアル


部分的な改修や運転条件の最適化で対応できるケースも多いため、専門業者と相談しながら無理のない方法を検討するのが賢明です。


専門業者の活用

排水処理設備の能力評価や改修検討は、専門知識が求められる分野です。実績のある専門業者に診断・提案を依頼することで、適正な判断がしやすくなります。

また、外注することで自社内の負担を軽減でき、属人化リスクも回避できます。



■まとめ|早めの見直しでトラブル防止とコスト削減


排水処理能力の見直しは、設備が完全に壊れてから行うのでは遅すぎます。

「処理能力の低下」は見えにくい分、知らないうちに工場運営全体のリスクとなっているケースが多く見受けられます。


以下のような状況に心当たりがあれば、早めに専門業者へ相談することをおすすめします。


✓ 水質基準ギリギリ、あるいは超過したことがある

✓ 生産量や設備が変わったが、排水設備はそのまま

✓ 設備が15年以上使われている

✓ 年々トラブルや緊急修理が増えてきている


エスプラントサービスでは、排水処理設備の診断・改修提案・緊急対応まで一貫対応しています。

関西圏で排水設備の不安や課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


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