皆さまこんにちは。
大阪府堺市に拠点を置き、関西を中心に排水処理設備の保守・修繕をはじめ、電気・配管・計装工事など一貫して対応しているエスプラントサービスです。
工場にとって排水処理設備は、製品の品質には直接関与しない“裏方の設備”と思われがちです。しかし、実際には老朽化した排水設備が引き金となり、操業停止や行政指導、さらには企業の信用低下といった重大なトラブルに発展するケースも少なくありません。
本記事では、排水設備の老朽化がもたらす具体的なリスクと、事前に講じるべき回避策について解説します。
自社の排水処理設備に不安をお持ちのご担当者さまは、ぜひ最後までご覧ください。
1. 排水設備の老朽化によるリスク
リスク①
設備トラブルによる操業停止
老朽化が進むと、排水ポンプや配管、曝気装置などが正常に機能しなくなります。
特に注意が必要なのが以下のようなパターンです:
・ポンプのモーター焼損による排水停止
・沈殿槽の破損やスライム堆積による処理能力の低下
・エアレーション系統の詰まりや動作不良
これらのトラブルにより排水処理が追いつかなくなれば、最悪の場合は工場の稼働停止や製造ラインの中断を余儀なくされる事態に発展します。
リスク②
水質基準の逸脱による行政指導・罰則
排水処理設備の経年劣化は、処理精度の低下を引き起こします。
とくに、
・微生物の活性が下がりBOD・CODが高くなる
・薬品供給装置の誤作動による中和不良
・漏水や配管の腐食による汚染水の未処理排出
といった状態が続くと、法定水質基準を超える排水を流すことになり、自治体や環境保全協会からの是正勧告・指導を受ける可能性があります。
このような場合、報告義務や改善命令への対応コストに加え、地域住民や取引先への信頼失墜という“目に見えない損失”も発生しかねません。
リスク③
属人化による「気づけない」重大故障
中堅~中小規模の製造業では、排水処理設備の管理が一部の担当者に任されている(属人化している)ケースがよく見られます。
この状態で老朽化が進行すると、
・担当者が異変に気づかず異常が放置される
・担当者の急な退職で管理ノウハウが消失する
・定期点検記録が十分でなく、劣化の把握が困難
といった状況に陥りやすくなります。
属人化した管理体制では、「設備の老朽化×管理の不在」が掛け合わさることで、深刻なトラブルを引き起こしやすくなるのです。
2. 老朽化リスクを未然に防ぐ3つの対策
老朽化による上記リスクは、「予防保全」と「体制整備」によって回避することが可能です。ここでは、具体的な対応策を3つご紹介します。
対策①
定期点検+劣化診断の実施
「異常が起きてから」ではなく、「異常が起きる前」に対処する考え方が重要です。
老朽化リスクを把握するには、専門業者による年1回以上の劣化診断+月次の点検チェックがおすすめです。
たとえば以下のような項目を診断対象とします。
こうした診断の履歴を残すことで、設備の更新タイミングや予算化の根拠にもつながります。
対策②
点検・修繕のアウトソーシング化
担当者が複数の業務を兼任していたり、知見が限られている場合には、排水処理に特化した業者に点検・修繕を委託するという方法も有効です。
・点検の実施・記録作成
・異常の早期発見と提案
・緊急時の迅速対応
・書類整備・報告書対応
などを一括して任せることで、業務の属人化や見落としを減らし、安定運転を維持しやすくなります。
対策③
更新・改修の中長期計画化
設備の全更新にはコストもかかるため、中長期での計画的な入替や改修スケジュールを立てることが大切です。
たとえば、
・5年後にポンプを更新予定 → 予算取りを事前に実施
・このタイミングで配管・バルブ類も同時交換
・更新時は設計も見直し、将来の柔軟対応も考慮
このように全体像を見据えて設備の改修方針を立てることで、コストの平準化や投資効果の最大化が図れます。
3. まとめ|「壊れてから直す」では間に合わない
排水処理設備の老朽化は、放置すればするほどリスクとコストが膨らみます。
特に中堅規模の製造業では、「知らないうちにトラブルが進行していた」というケースも多く見受けられます。
今の段階で設備の稼働音が大きくなった・異臭がする・配管の一部が錆びているなどの兆候がある場合、ぜひ早めに専門業者へ相談することをおすすめします。
エスプラントサービスでは、関西エリアを中心に点検・診断から更新・改修まで一貫対応しております。
もしご相談や不安な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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