食品工場における排水処理設備の種類とその管理方法

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皆さまこんにちは。

関西エリアを中心に排水処理設備の保守・修繕をはじめ、それに関連した電気工事・配管工事・計装工事などワンストップで対応している、大阪府堺市の水処理事業者、㈱エスプラントサービスです。


食品工場では、原材料の洗浄、加工、設備清掃などの過程で大量の排水が発生します。これらの排水には、有機物や油脂、固形物、洗剤成分などが高濃度で含まれており、未処理または不適切に処理された状態で放流すると、水質悪化、悪臭の発生、生態系への影響を引き起こすおそれがあります。


また、排水の質や量に起因するトラブルは、下水道使用料の増加や行政からの指導、工場停止リスクなどにも直結します。だからこそ、食品工場では排水処理設備の適切な運転・維持管理が欠かせません。


本記事では、食品工場で導入される代表的な排水処理設備の種類と、それぞれの役割、および日々の点検・管理方法について詳しくご紹介いたします。

現場での設備トラブル防止や長期的な運用の安定化にぜひお役立てください。



■食品工場における排水処理設備の種類とその管理方法



1. スクリーン・除渣機(じょさき)

役割:排水中の固形物(野菜くず、骨、包装材など)を除去。

点検・管理方法:

・スクリーンに詰まりがないか毎日点検

・固形物はこまめに除去し、放置しない(腐敗・悪臭の原因)。

・刃、メッシュ、駆動部の月1回点検で磨耗や破損を確認。


2. グリーストラップ・油水分離槽

役割:浮上する油脂や軽量異物を分離。

点検・管理方法:

1日1回以上の油分除去(表面の浮油をスキマーやバキュームで回収)。

・月1回以上、槽内の全面清掃と臭気確認。

・油脂分が多い業種(肉加工・揚げ物等)ではバイオ剤や消泡剤の併用も効果的。


3. 調整槽

役割:排水の濃度・流量を均一化し、生物処理への負荷を安定化。

点検・管理方法:

pH、流量、温度を日常チェック

・撹拌機やブロワの振動・異音確認(週1回程度)。

・底部に沈殿物がたまりやすいため、月1〜2回の排泥が望ましい。


4. 加圧浮上装置(DAF)

役割:微細気泡で油脂や固形物を浮上分離。

点検・管理方法:

気泡発生装置の目詰まり確認(週1回)。

・スクラバーやチェーンの動作チェックと潤滑(月1回)。

・凝集剤投与が必要な場合は薬品濃度と注入量の適正管理


5. 生物処理設備(曝気槽)

役割:微生物の働きで有機物(BOD・COD)を分解。

点検・管理方法:

溶存酸素(DO)を毎日測定。適正範囲:1.5〜3.0mg/L。

活性汚泥の観察:フロックの状態、沈降性、色・におい。

ブロワの圧力・風量確認(週1回)、フィルターの清掃(月1回)。

・異常発酵を防ぐため水温や負荷変動に注意


6. 沈殿槽(終沈池)

役割:微生物(活性汚泥)を沈殿分離し、処理水を清澄化。

点検・管理方法:

返送汚泥・余剰汚泥の量を日常記録

・汚泥の堆積状態・におい・色を週1回目視点検

・ラミラ板の付着物や詰まりも月1〜2回清掃


7. 汚泥処理設備(濃縮槽・脱水機)

役割:処理過程で発生する汚泥の脱水・処分。

点検・管理方法:

汚泥濃度・脱水ケーキの含水率を定期測定

・脱水機の動作確認、ベルトやフィルターの摩耗点検(週1回以上)。

汚泥薬品(ポリマー等)の在庫管理と適正投与。


8. 消毒・放流設備

役割:処理後の水から病原菌やウイルスを除去。

点検・管理方法:

塩素濃度の測定(次亜塩素酸の場合):適正残留塩素 0.1〜1.0mg/L。

・UVランプの場合は点灯状態・寿命の確認(月1回)。

・放流水の色、におい、透明度も目視確認


9. 高度処理設備(必要に応じて)

役割:窒素・リン除去や再利用水の高度浄化。

点検・管理方法:

ろ過装置の洗浄履歴と逆洗回数の管理。

・膜処理の場合、膜の圧力損失(TMP)と洗浄周期を記録。

・凝集剤はpHや濁度とのバランス調整が重要。


10. 制御・監視設備(自動化システム)

役割:設備全体の自動運転、異常検知、記録管理。

点検・管理方法:

センサー校正(pH・DO・流量など)を月1〜3回実施

・異常履歴や警報履歴の月次レポート作成

・PLCやSCADAのバックアップ取得とシステム動作確認



■設備管理が工場の「信頼性」と「品質」を左右する


排水処理設備は、ただ設置するだけでは十分とは言えません。

定期的な点検と適切なメンテナンスを継続して行うことで、初めて設備は本来の性能を維持・発揮し、トラブルの発生を未然に防ぐことができます。


また、食品業界では近年ますます環境への配慮やCSR(企業の社会的責任)が重視されるようになっており、排水処理を含む工場設備の管理レベルが企業の「信頼性」や「ブランド価値」に直結しています。


現場で働く一人ひとりが設備の役割と状態を理解し、日常管理をルーティン化・標準化することが、トラブル防止と持続可能な運用の鍵となります。今後も排水処理の最適化を図りながら、工場の「見えない品質」を高めていきましょう。



■食品工場の排水処理設備管理はエスプラントサービスにお任せください



排水処理設備の管理・運転には、専門的な知識や経験、定期的な点検計画が必要不可欠です。しかし現実には、食品工場の現場では本業の生産活動に手がいっぱいで、設備の異常に気付かず対応が遅れてしまったり、点検などの管理が後回しになったりするケースも少なくありません。

そうした現場のお悩み解決に、私たち㈱エスプラントサービスが排水処理設備の点検・メンテナンスの専門パートナーとしてサポートいたします。


◆エスプラントサービスが選ばれる理由◆


食品業界の実績多数

油脂や有機物を多く含む排水に対して、最適な処理方法や機器管理ノウハウを蓄積。現場特性に合わせた柔軟な対応が可能です。


定期点検から緊急対応までワンストップ対応

計画的な保守はもちろん、突発的な設備トラブルにもスピーディーに駆けつけます。


管理の自動化・遠隔化、設備のデータベース化も対応

自動運転・遠隔管理の導入による設備管理の負担軽減や、導入した設備をデータベース化することにより耐用年数などが見える化され、維持管理費の削減や適切な設備交換のご提案が可能に。


専門技術者による丁寧な点検・報告書提出

点検後はわかりやすく丁寧な報告書を作成し、排水基準や自治体監査への対応にも活用いただけます。


日常の点検業務の負担軽減や、専門的な設備診断・メンテナンスをお考えの際は、ぜひ一度㈱エスプラントサービスにご相談ください。

また、「点検は重要だとわかっていても、どう始めればいいかわからない」「今の設備が最適なのか不安」といったご相談も大歓迎です。

排水処理設備の総合サポーターとして、私たちエスプラントサービスが現場の課題を一緒に考え、解決へと導き、工場の環境対策と安定稼働を支えるための、「見えない部分」の品質を私たちが守ります。

ぜひお気軽にご相談ください!