皆さまこんにちは。
大阪府堺市に拠点を置き、関西を中心に排水処理設備の保守・修繕をはじめ、電気・配管・計装工事など一貫して対応しているエスプラントサービスです。
「最近、槽の表面に浮いているものが増えてきた気がする」
「これってスカム?異常?それとも普通?」
排水処理設備を管理していると、こうした判断に迷う場面があります。
特に、排水処理専任ではなく、生産設備や工務、品質管理など別業務と兼任している担当者の場合、スカムが発生していても「対応が必要なのかどうか」が分かりにくいことも少なくありません。
実際、現場では、
とりあえず掬って除去した
しばらく様子を見ることにした
という対応になるケースも多く見られます。
もちろん、それで問題ない場合もあります。しかし、スカムの発生が設備トラブルや運転状態の変化のサインになっていることもあります。
この記事では、排水処理設備のスカムが「異常なのか正常なのか」判断に迷ったときに確認したいポイントを解説します。
■ そもそも、スカム=必ず異常ではない
最初に押さえておきたいのは、スカムが発生している=即トラブル、とは限らないということです。
排水処理設備では、処理対象の排水性状、微生物状態、負荷変動などの影響を受けて、ある程度の浮遊物や表面付着物が見られることがあります。
少量のスカムが一時的に発生している程度で、処理状態や設備運転に問題がなければ、必ずしも緊急対応が必要とは限りません。
一方で、以下のような変化が見られる場合は注意が必要です。
・急に増えた
・臭いが強くなった
・色や状態が変わった
・処理水が悪化している
・他の設備異常も同時に起きている
重要なのは、「スカムがあるかどうか」ではなく、「いつもと違うかどうか」です。
では、実際にどこを確認すればよいのでしょうか。
■ 判断に迷ったときの5つの確認ポイント
① 発生量は急増していないか
まず確認したいのは、発生量の変化です。
現場では毎日設備を見ていると、少しずつ増えている変化には意外と気づきにくいものです。
確認したいのは、
・以前より量が増えていないか
・除去頻度が増えていないか
・槽の表面を広く覆っていないか
といった点です。
例えば、
「以前は週1回程度の清掃で済んでいたのに、最近は毎日掬っている」
という状態なら、単なる見た目の問題ではなく、運転条件や排水条件に変化が起きている可能性があります。
“いつも通り”と比べて変化しているかを見ることが大切です。
② 色・見た目・臭気に変化はないか
スカムは、状態によって原因のヒントが見えることがあります。
例えば、こんな見え方です。
・白っぽい泡状
・茶色い塊状
・油膜のようなベタつき
・厚く堆積した層状
また、見た目だけでなく、臭気変化も重要な判断材料です。
以前より臭いが強くなった、酸っぱい臭い、腐敗臭、油臭が目立つようになった場合は、微生物状態や負荷条件の変化が起きている可能性があります。
ただし、見た目だけで原因を断定することはできません。
スカム・汚泥・フロックは見分けが難しいケースもあります。
違いが気になる場合は、関連記事
「スカム・汚泥・フロックの違い」も参考にしてください。
③ 処理水に変化は出ていないか
スカムだけを見て判断しようとすると、原因を見落とすことがあります。
確認したいのは、処理全体に影響が出ていないかです。
例えば、
・放流水が濁っている
・SSが高い
・臭気が出ている
・沈殿状態が悪い
・汚泥流出が起きている
といった変化があれば、単なる表面現象ではなく、処理状態そのものが不安定になっている可能性があります。
逆に、スカムが少量発生していても、処理水・沈殿状態・設備運転が安定しているなら、過度に心配しなくてよいケースもあります。
スカム単独ではなく、設備全体を見る視点が重要です。
④ ブロワ・曝気など設備運転に異常はないか
スカム発生時は、設備側の運転状態も確認してみましょう。
特にチェックしたいのは、
・ブロワ運転状況
・曝気量
・DO(溶存酸素)
・散気状態
・撹拌状態
などです。
例えば、ブロワ能力低下や曝気不足が起きていると、微生物状態が変化し、スカム発生につながることがあります。
また、散気管の閉塞や機器劣化が背景にあるケースもあります。
現場では、
「スカム対応をしていたら、原因はブロワ不調だった」
ということも珍しくありません。
見えている現象だけでなく、設備側にも目を向けることが大切です。
⑤ 原水や操業条件が変わっていないか
排水処理設備は、工場の操業条件と強く連動しています。
そのため、スカムが増えたときは、設備だけでなく**工場側の変化**も確認してみてください。
例えば、
・原料変更
・洗浄工程変更
・生産量増減
・使用薬品変更
・油脂負荷増加
・休転・立上げ運転
こうした変化が、排水性状に影響していることがあります。
排水処理設備だけを見ていると原因が分からず、製造現場に確認したら理由が見えた、というケースもあります。
■ スカムは「除去して終わり」にしないことが大切
スカムが出ると、まず除去対応をすることがあります。
もちろん、堆積防止や設備保全のために必要な場合もあります。
ただ、除去だけで終わってしまうと、根本原因が残ったまま再発することがあります。
特に、
・急増している
・繰り返し発生する
・処理状態悪化を伴う
という場合は、原因側の確認が重要です。
原因や対策を詳しく知りたい方は、関連記事
「沈殿槽にスカムが発生する原因と対策」も参考にしてください。
■ まとめ|「いつもと違う」を見逃さないことが重要
排水処理設備のスカムは、必ずしも異常とは限りません。
一方で、設備状態や運転条件の変化を示すサインになっていることもあります。
判断に迷ったときは、まず次のポイントを確認してみてください。
・発生量は急増していないか
・色、見た目、臭気に変化はないか
・処理水に影響は出ていないか
・ブロワや曝気に異常はないか
・原水、操業条件が変わっていないか
排水処理設備では、「何かおかしい気がするけれど、どこを見ればいいか分からない」という状況は珍しくありません。
特に兼任担当者の方にとっては、正常範囲なのか、対応が必要な状態なのか判断が難しいこともあると思います。
エスプラントサービスでは、排水処理設備の運転・設備・制御・現場課題について、現場目線でサポートしています。
「スカムが増えた原因が分からない」
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