皆さまこんにちは。
大阪府堺市に拠点を置き、関西を中心に排水処理設備の保守・修繕をはじめ、電気・配管・計装工事など一貫して対応しているエスプラントサービスです。
排水処理設備を管理していると、よく出てくる言葉が「スカム」と「汚泥」です。
どちらも排水処理では日常的に発生するものですが、
・スカムが増えて困っている
・汚泥が増えて処理費が高い
・スカムと汚泥の違いがよくわからない
・どの槽で何に注意すればいいのか知りたい
といった悩みを持つ現場担当者は少なくありません。
実は、スカムと汚泥は発生する場所も原因も対策もまったく違うものです。
違いを理解していないと、間違った対応をしてしまい、設備トラブルやコスト増加につながることもあります。
この記事では、スカムと汚泥の違い、それぞれ注意すべきポイントや現場でできる具体的な対策案をわかりやすく解説します。
■スカムと汚泥の違いとは?
まずは基本的な違いを整理します。
スカムとは
スカムとは、水面に浮いてくる固形物や油分、微生物のかたまりのことを指します。
見た目としては、
・白や茶色の泡状
・脂の塊
・浮いている汚れ
・ドロドロした膜
のような状態になっていることが多いです。
主な成分は油脂・固形物・微生物の死骸・発泡物質・有機物などです。
つまり、軽くて浮いてしまうものの集合体がスカムです。
汚泥とは
汚泥とは、水中に沈殿した微生物や有機物のかたまりです。
排水処理では、
・活性汚泥
・余剰汚泥
・沈殿汚泥
などが代表的です。
主な成分は微生物・分解された有機物・無機物・SS(浮遊物質)です。
つまり、重くて沈むものの集合体が汚泥です。
スカムと汚泥の違いを簡単にまとめると

シンプルに言うと、浮くのがスカム、沈むのが汚泥
と覚えておくと現場では理解しやすいです。
■スカムで気をつけなければいけないポイント

① 配管やポンプが詰まる
スカムは油や固形物を多く含んでいるため、配管・ポンプ・スクリーン・オーバーフロー部に付着しやすくなります。
これが進行すると、
・流量低下
・ポンプ停止
・槽のあふれ
・緊急対応
につながります。
特に油脂を多く含む食品・製造工場では注意が必要です。
② 臭気の原因になる
スカムは腐敗しやすいため、硫化水素・アンモニア・腐敗臭が発生しやすくなります。
その結果、
・近隣クレーム
・作業環境悪化
・設備の腐食
といった問題が発生します。
③ 曝気槽の処理を邪魔する
スカムが増えると、
・酸素が入りにくくなる
・微生物が働きにくくなる
・発泡が増える
という状態になります。
結果として、BOD・COD・窒素の処理が不安定になることがあります。
■スカムが発生しやすい槽
原水槽・調整槽
もっとも発生しやすい場所です。
理由は油が多い・固形物が多い・滞留時間が長いためです。
油脂や軽い固形物が水面に浮いて、スカムになります。
加圧浮上槽
構造的にスカムを集める槽なので、当然発生します。
ここで注意すべきなのは
・スカムが厚くなりすぎない
・引き抜きが正常に動く
・スクレーパーが止まらない
というポイントです。
曝気槽
意外と見落とされるのが曝気槽です。
発泡やスカムが増える原因は
・油脂流入
・微生物バランスの崩れ
・栄養バランス不良
・糸状菌の増殖
などです。
この状態を放置すると、処理水悪化や沈殿不良につながります。
■スカムの現場対策
定期的にすくい取る
最も基本的な対策です。
・網ですくう
・スカム回収機を使う
・手動除去する
これだけでも設備トラブルは大きく減ります。
油を前段で除去する
スカムの多くは油が原因です。
対策としては
・グリストラップの清掃
・浮上槽の強化
・油水分離
・前処理の改善
が効果的です。
消泡剤を使用する
曝気槽の発泡が多い場合は、消泡剤の使用も有効です。
ただし、入れすぎない・原因を確認する・微生物に影響がないか確認することが重要です。
■汚泥で気をつけなければいけないポイント

① 処理能力が低下する
汚泥が増えすぎると、
・微生物のバランスが崩れる
・酸素が足りなくなる
・反応が遅くなる
という問題が起きます。
結果として、処理水が基準を超えるリスクが高くなります。
② 沈殿槽が機能しなくなる
汚泥が多すぎると、
・汚泥が沈まない
・上澄みが濁る
・SSが流出する
という状態になります。
これはいわゆる汚泥流出トラブルです。
③ 汚泥処理費が増える
汚泥は産業廃棄物として処理する必要があります。
つまり、汚泥が増えるほど脱水費・運搬費・処分費が増えていきます。
これは企業にとって大きなコストになります。
■汚泥が発生しやすい槽
曝気槽
もっとも重要な場所です。
微生物が増える場所なので、汚泥も増えます。
ここでは、MLSS・汚泥滞留時間・引抜量の管理が重要になります。
沈殿槽
沈殿槽では、活性汚泥・フロック・沈殿物がたまります。
引抜きが不足すると、汚泥が蓄積してトラブルになります。
汚泥濃縮槽
ここは汚泥を集める場所なので、腐敗・臭気・固化が起きやすいです。
定期的な引き抜きが重要です。
■汚泥の現場対策
適切な引き抜き管理
最も重要です。
・毎日引き抜く
・MLSSを管理する
・汚泥量を把握する
これだけで安定します。
曝気量を調整する
酸素不足になると、微生物が弱り、汚泥が悪化します。
そのため、
・ブロワの調整
・曝気量確認
・DO管理
が重要になります。
栄養バランスを整える
微生物には栄養が必要です。
目安はBOD:N:P=100:5:1です。
これが崩れると、汚泥の状態が悪くなります。
■スカムと汚泥の管理が排水処理の安定につながる
排水処理では、
・スカムは浮いて設備トラブルを起こす
・汚泥は沈んで処理能力を左右する
という特徴があります。
つまり、スカムは表面管理、汚泥は量の管理が重要になります。
この2つをしっかり管理することで、
・水質安定
・臭気防止
・コスト削減
・トラブル防止
につながります。
■まとめ

スカム
・水面に浮く
・油や固形物が原因
・原水槽・浮上槽・曝気槽で発生
・定期除去と油対策が重要
汚泥
・水中に沈む
・微生物のかたまり
・曝気槽・沈殿槽で発生
・引き抜きと管理が重要
排水処理は、スカムと汚泥の管理が安定運転のカギになります。
・スカムが増えて困っている
・汚泥管理がうまくいかない
・処理水が不安定
・設備の改善を検討したい
このような課題は、運転調整だけでは解決できないケースも多く、設備構成・薬品・運用方法を含めた総合的な改善が必要になります。
■排水処理のスカム・汚泥でお困りならご相談ください
エスプラントサービスでは、水処理専門のエンジニアが現場の状況を確認し、
・スカム発生の原因調査
・汚泥量の適正化提案
・曝気槽・浮上槽の改善提案
・設備更新・改造の提案
・運転管理の見直し
など、現場に合わせた実行可能な対策を提案しています。
全国対応・現地確認から改善提案まで対応可能
エスプラントサービスは、排水処理設備の
・設備点検
・定期保守
・改善提案
・更新工事
・トラブル対応
まで一貫して対応しています。
「まずは話だけ聞いてみたい」
「写真や図面を見てアドバイスがほしい」
といったご相談でも問題ありません。
スカム・汚泥・曝気槽・浮上槽など、排水処理設備でお困りの方は、下記よりお気軽にご相談ください。
☎ お電話でのご相談も受け付けております 072-260-1901
(受付時間 平日10:00~16:00)
▽関連記事▽
≫「排水」と「廃水」の違いとは?
≫排水処理設備で「泡が止まらない」原因と対策
≫オーバーホールとは?修理との違いや適切なタイミングを解説!
▽関連する施工事例▽
≫スカムポンプ更新工事|大阪府大阪市
≫加圧浮上槽フロス掻き寄せゴム交換|滋賀県湖南市

